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本塁打0の美学 「赤星さんに憧れていて…」ロッテ岡田幸文の心意気

2017年3月21日(火) 10:00 

 ZOZOマリンは岡田らロッテ主力のボードが観客を出迎える(撮影・吉田風)

 「オープン戦、ロッテ6-3阪神」(20日、ZOZOマリンスタジアム)

 12球団で3位。オープン戦のチーム本塁打数で阪神が上位につけている。13試合消化して9本。各球団の主軸が日本代表に招集されているので“暫定”ではある。それでも、3本でキングの高山俊、2本の北條史也金本知憲がアーチ増産を期待するチルドレンの成長で本番へ期待は高まる。

 90本。これは昨季阪神のチーム本塁打数だ。セ覇者の広島は153本だったので、その差は63。ファンは本塁打を見たい。その観点からすれば、セで2番目に少なかった阪神は魅力の乏しい打線ということになる。確かに昨季は最多本塁打の広島がペナントを制した。ただ、どうだろう。球史を振り返れば、本塁打の破壊力が必ずしも勝利に直結しない例もある。

 分かりやすいのは2004年の巨人。33本塁打の阿部慎之助が7番を打ったあの打線である。タフィ・ローズ高橋由伸小久保裕紀ロベルト・ペタジーニ清原和博江藤智…。史上最強打線でシーズン259本塁打のプロ野球記録を樹立しても3位。ディフェンス力との兼ね合いを差し引いても、一発攻勢の巨人は脆かった。

 千葉のオープン戦首位攻防は新井良太の1アーチのみ。データを見ると昨季のロッテはチーム本塁打数がリーグ最少だったようだ。虎より少ない80本だから、さすがに上乗せしたいところだろう。

 そう言えば、このチームには「本塁打を打たない美学」を貫いてきた選手がいる。岡田幸文。育成ドラフト6位からはい上がった雑草の星。彼はプロで本塁打を1本も打ったことがない。14年のプロ初打席から2443打席無本塁打で、(初打席からに限らない)2528打席連続無本塁打の日本記録を今年塗り替えそうだ。

 「プロとして1本くらい打ってみたいという気持ちは少なからずあります。でも、自分のスタイルは忘れちゃいけないと思っています。塁に出て相手にプレッシャーをかけて一回でも多くホームベースを踏む。これが僕の役割ですから。プロに入る前からずっと赤星さんに憧れていて…。赤星さんのスタイルを目標にしていました」

 岡田はそう言う。ちなみに連続打席無本塁打の日本記録は赤星憲広のもの。その赤星が08年に更新したのが和田豊の1929打席。規定打席到達者でシーズン0本塁打の最多記録4回を持っていた久慈照嘉といい、どうやら虎は無本塁打と縁のあるチームのようだ。連続無本塁打は意識して成せるものではないが、赤星のスタイルを追求してきた結果として岡田がこの「記録」を塗り替えれば、それは必然と言えるのかもしれない。

 さて、今年の阪神。昨季20本塁打のマウロ・ゴメスが抜けた。糸井嘉男の加入、若手の飛躍を踏まえてもチーム本塁打100前後を見積もる戦いになる。一発がなくても取れる試合をいかにつくるか。岡田が憧れる赤星が2番で輝いた03年、3番金本が19本塁打でも勝った。205本塁打の巨人を寄せつけず、セ5位の141本でも優勝したあの戦いは好例になる。=敬称略=(デイリースポーツ・吉田風)

(提供元:デイリースポーツ)

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